営業利益が赤字でも現金は残せる。人件費高騰を乗り切る経営術

当事務所では、米国MBA学位を保持する弁護士前畑壮志が、経営学的観点から徹底したアドバイスを行っています。

原材料高・人件費高騰を乗り切る鍵は、手元の現金を守ること

昨今、人件費や原材料費の上昇が続いており、営業利益が圧迫されている企業が多いと思います。

しかし、外部要因である、人件費や原材料費の上昇を嘆いても手元に残る現金は増えません。

営業利益と手元の現金は別物です

「営業利益」と「手元に残る現金」には差があります。

営業利益は、売上から費用を差し引いた会計上の数字です。売上や費用を計上する時期と、実際にお金が出入りする時期とは、必ずしも一致しません。

たとえば、売上を計上しても、売掛金が回収されるまで現金は入ってきません。仕入れた在庫は、売れて費用になる前に現金が出ていきます。反対に、減価償却費は費用として利益を押し下げますが、その年に現金が出ていくわけではありません。借入金の元本の返済は費用になりませんが、現金は確実に出ていきます。

ですから、利益が同じでも、売掛金の回収を早める、在庫を持ちすぎない、支払条件を見直すといった工夫で、手元に残る現金は変わります。ただし、支払条件の見直しは、取引先との関係や、取適法などの規制に反しない範囲で行う必要があります。

黒字倒産を防ぐという発想

人件費や原材料費の上昇の中で「手元に残る現金」を増やす方法はあります。黒字倒産は、「手元に残る現金」を増やす手法を知らなかったがために起こる悲劇です。

「手元に残る現金」を積極的に増やして、冬の時代を乗り越えようではありませんか。極論すれば、帳簿上、営業利益がマイナスでも、「手元に残る現金」が増えれば、倒産はしません。これは、銀行借り入れを増やせば現金が手に入るといった自転車操業とは全く異なる次元の経営学的解法です。冬の時代の間に筋力、すなわち強力なキャッシュフローをつけて、冬に耐えられる体を作れば、また春が来たときには優位に立つことができます。

嘆いて眺めるか、手を打つか

外部要因である、人件費や原材料費の上昇を嘆くだけで、「手元に残る現金」が減るのを不安な気持ちで眺め続けるか。それとも、回収の見込みがない支出を止めるなどして損失の拡大を抑えながら経営改善をするか。MBAと法務の掛け合わせにより、光明が見えると感じる昨今です。

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